脱ハンコの「国産標準」へ。安全で堅牢、迅速で便利なSMBCクラウドサインとSMFLが提携し、電子契約を強力に推進

「脱ハンコ」への勢いはもう止まらない。政府は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)への対策もにらみ、行政手続き上の慣例的な押印全廃を打ち出した。経済4団体(※)も、政府と共同で脱ハンコ化推進を宣言。この風を受けて民間企業も在宅ワークの徹底を目指し、電子署名の導入を進めている。活況を呈する電子契約市場でいま注目を集めているのが、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の進取性に富む取り組みだ。

※日本経済団体連合会(経団連)、経済同友会、日本商工会議所、新経済連盟

利用は130倍。2020年は電子契約・導入元年

SMBCクラウドサイン 代表取締役社長 三嶋英城 氏

緊急事態宣言下の2020年5月、SMFLは、電子契約クラウドサービスを提供するSMBCクラウドサインとビジネスパートナーシップ契約を結んだ。リース契約の手続きを手始めに、オンライン上の電子署名の活用を推し進め、紙の書類を不要にする電子契約を広く普及させることが狙いにある。パートナーとなったSMBCクラウドサイン代表取締役社長の三嶋英城氏は「2020年は電子契約業界最大のターニングポイントになりました」と語る。

「『いつかは導入したい。でも今すぐじゃなくてもいい』と逡巡していた多くの企業が、こぞって電子契約の検討に乗り出しました。その結果、当社のサービスを利用する企業は、コロナ拡大以前の同年2月時点と比べて17倍増、契約書の送信数は130倍にも。2020年は、まさに電子契約の導入元年でした」

SMFL 執行役員 営業統括部長 杉本裕志

一方、電子契約の「利用価値も変化した」と指摘するのは、この取り組みを通じて社会に変革をもたらそうと遠望するSMFLの営業統括部長・杉本裕志だ。

「コロナ以前の『脱ハンコ』は、多くの場合、業務の効率化や生産性向上を期待しての動きでした。それがコロナ禍に直面し、テレワークで社員の安全を確保しながらいかに事業継続に支障をきたさないよう備えるか、つまりBCP(事業継続計画)に重点がシフトしたのです」

もちろん、効率化やコスト節減を目的とする電子契約のメリットは大きい。SMFLではすでに約4年前、電子契約の導入検討に着手していた。

営業をサポートする事務を統括指揮する事務企画部長・小林文子が振り返る。

「検討を始めたのは2017年3月。電子契約は、書類の持参・郵送や回収がなくなることによる業務効率と生産性の向上、大幅なスピードアップに加え、省人化、業務コスト・契約後の書類保管、印紙税がゼロになるなど各種のコストメリットが得られます。さらにペーパーレス化により、環境負荷の軽減にも貢献できます。これらの視点を押さえた上で、新技術BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング=業務フローや組織などの再設計)プロジェクトチーム内で、電子契約の導入に向けて検討を開始しました」

翌2018年には、グループ会社向けのリース契約を対象に、電子契約サービスのトライアル運用を開始。ただし当時は、電子証明書の入手や管理など、相応の準備と負担、そして時間を相手企業に強いることが避けられなかった。「当事者型」の契約サービスが主流だったからである。

現場の不安。「それでも命には代えられない」

電子契約サービスの仕組みには、大きく分けて2つのタイプがある(下図参照)。

1つは、SMBCクラウドサインが採用している「立会人型」(事業者による証明型)。手順はこうだ。

① 契約当事者が、双方で同意を取り付けた契約書をオンライン上にアップロード
② 契約当事者が内容を確認し、承認操作を実行
③ 同時に、サービス提供会社が電子署名を行い、契約が成立

わずか数分間で契約が完了し、非常に簡便に処理できるのが利点だ。

もう1つは「当事者型」。オンライン上に保存された契約書に対して、契約当事者がそれぞれ電子署名をするため、双方ともに本人確認済みの電子証明書を用意する必要がある。安全性は高いものの、電子証明書の申請から発行までに数日かかる場合もある。

2つの電子署名。当事者型と立会人型

SMFL 理事 事務企画部長 小林文子

2019年10月、契約業務がオンラインで完結するサービスを提供するSMBCクラウドサインが設立。2020年5月には同社とSMFLが提携を結び、両社による協業体制が整った。

小林が言う。「両社の協業によって、電子証明書が不要で、かつ顧客の手間もかからないという『立会人型』ならではの魅力ある利便性をお客さまにご提供できるようになりました。同時に、SMBCグループというメガバンクファミリーだからこその安心も感じていただけているはずです」

それでも、一抹の不安を訴える声は耳に届くという。従来の業務フローに慣れ親しんできたあちこちの現場から漏れてくる本音だ。

「電子契約には反対じゃない。でも“紙の契約書”がなくなっても、不都合は生じないのか?」

だが、SMBCクラウドサインとの提携を通じ、その確実性と抜群のスピード感、利便性を知る小林には、電子契約に実際に触れてみれば不安は払拭されるという自信があった。

「未経験の業務のリスクに身構えたくなる心配はよく理解できます。それでも、現下の状況を考えれば、従業員の命や健康は最優先。ウィズコロナの環境下、またアフターコロナを見据えれば、速やかに電子契約に移行することが、企業としてのBCP対応にもつながるはずです。お客さまへは引き続き、電子契約の仕組みを丁寧にご説明しつつ、時代に即した事務体制の構築や社内ルールの策定をご支援していきます」(小林)

電子契約への移行には、契約相手の理解も不可欠。その点、SMFLではバックオフィスと営業部門が連携し、全国の営業拠点を介して、法令との適合性やセキュリティに関する疑問や要望などに応え、サービスの利用を顧客に推奨している。さらに、電子契約に関する解説動画も活用し、理解の輪を広げつつある。

「昨年8月には、三井住友カードが加盟店の店頭に導入を進めているオールインワン決済端末機『stera terminal』について、SMBCクラウドサインを利用したリース取引を行う旨の基本契約を締結しました」(杉本)

2020年12月末時点で、SMBCクラウドサインの電子契約を導入した取引先は12社、SMBCクラウドサインを採択した顧客は60社を超え、さらに増加の一途をたどる。また、小口リースを扱うリテールリーシング部門では、既存の自動審査システムとSMBCクラウドサインを連結した電子契約を21年1月末にリリースし、「デジタル化」を強力に推進している。

“弁護士”と“銀行”の最強タッグ。万全の法対応でシェア8割

SMBCクラウドサインの電子契約サービスは、弁護士ドットコムが提供するSaaS(Software as a Service)の「クラウドサイン」を共通基盤として活用している。クラウドサインは、導入企業数約14万社、電子契約市場で8割以上のシェアを占める、事実上の「標準」(デファクトスタンダード)仕様だ。

「日本の法律を熟知するリーガルTech企業の雄である弁護士ドットコム、そして国内屈指のグローバル金融機関で、法律の順守とシステムのセキュリティに万全堅固な備えを有するSMBC。この2つが融合したジョイント企業であることが、当社の最大の武器です」(三嶋社長)

弁護士軍団とメガバンクの出資で設立されたSMBCクラウドサインは、高水準のサービスとセキュリティが評価され、設立後まだ2年に満たないルーキー企業ながらすでに確たる社会的信用を得て、顧客からの期待値も高い。

「外資系サービスと比較しても、日本企業ならではの強みを我々は生かせます。電子契約、電子署名に関する運用ルールは国ごとの法律で定められており、日本では電子署名法や電子帳簿保存法など数多くの法律が存在します。そうした条文に対応できる小回りの利き方は、日本企業だからこそ可能な強みです」(三嶋社長)

実はこれまで、「立会人型」サービスは、電子署名法第3条(※)に抵触するのではないかとの法論争があった。しかし、2020年の7月と9月、総務省・法務省・経済産業省の3省が連名で「電子契約サービスに関するQ&A」を公開。立会人型サービスに「要件を満たせば問題なし」のお墨付きが与えられた。これも、電子契約市場への追い風となった。

※電子文書(電子契約)に対して、「本人だけが行うことができる電子署名が行われていれば」「真正に成立したものと推定する」と定められ、電子契約の法的効力が整理されている

業務プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、社会にイノベーションを

杉本は、「電子契約は、広く浸透していけば、社会のインフラになる」と期待を寄せる。

「やがては、弊社とのリース契約のみならず、お客さまご自身の電子契約の導入やDX全般をご支援していきたいと思います。電子契約の普及は、私たちのビジネスと社会に、必ずイノベーションをもたらします。ひいてはそれが、お客さまのさらなる成長にもつながると信じています」

小林は、「電子契約導入を通じて社内の意識の変化を感じる」と語る。

「最初は不安を吐露していた当社のスタッフも、生産性の向上を実感し、今ではデジタル先進企業を目指すことの意義と誇りを感じています。こうした意識の変化が、お客さまや社会へと広がり、DXの推進やイノベーションにつながっていくことを願っています」

三嶋社長も、そんなSMFLの姿勢に、「革新的」と共感する。

「事業の核心をなす領域を電子化することには、二の足を踏む企業も多いもの。しかしSMFLはいち早く決断し、始動しました。『変えるんだ、もっと良くするんだ』という情熱を感じますよね。実は、SMFLとのパートナーシップ提携が報じられて以降、当社にも多方面の業種から問い合わせをいただいています。今後は自治体への働きかけも視野に入れるなど、サービス推進の翼を広げたい。2020年の“導入元年”に続き、2021年は電子契約の“利活用元年”にします」と意気込む。

今や、デファクトスタンダードとなったSMBCクラウドサインの電子契約。その協業のもとSMFLは、DXを通じた社会変革を視野に、足下の一歩を重ね、前進を続ける。

Case Study

三井住友カード株式会社

電子契約で、コスト削減。コロナ禍のBCP対策にも有効

リース利用のメリット

カード決済端末機『stera terminal』について、SMBCクラウドサインを利用したリース取引を利用しました。単価が10万円前後の少額一括償却資産とはいえ、自社で買取取得した場合の一括減価償却負担をリース期間で平準化できることが、最大のメリットと考えています。

導入背景と効果

電子契約の導入に踏み切ったのは、コスト削減への期待と、コロナ禍によるBCP対策を考えてのことでした。カード決済端末機は、毎月の定例的な契約手続きで、かつリース契約物件が多く、添付される物件明細も多いため、大量の紙面での調印とその後の保管コストが膨大になります。

そこで今回、効率化やコスト削減につながるものと期待し、電子契約を利用。時間的制限のある「月例契約手続き」では、書類の授受にかかる時間短縮や、コロナ禍での接触制限にも対応でき、導入するメリットは大きいものでした。

また、社内における調印依頼の回覧手続きが、クラウドサインシステム上での回覧となったため、手間が減ってスムーズになり、調印完了までの時間も短縮できました。

今後への期待

契約手続き面で、さらなる機能向上を期待しています。また、現状はリース契約書以外の書類は紙面と混在しているため、今後は全ての電子化も検討していきたいですね。これにより、業務改善・効率化につながることを期待しています。

Case Study

大手食品加工メーカー S社

リース利用のメリット

設備投資や新たなシステム開発について、リースの方が購入に比べて初期費用を抑えられるので、導入決裁を得るのが容易になりました。おかげで最新機器を使ったよりよい環境で業務を行うことができました。

導入背景と効果

コロナの影響から、在宅勤務やサテライト使用などで事務手続きが円滑に行えない状況にあったため、電子上で完結できる契約形態を要していました。今回、リース取引における電子契約(SMBCクラウドサイン)を導入後は、契約依頼から契約締結までのスピードが大幅に上がり、紙媒体のやり取りや社内での捺印などの事務手続きも、省略できました。当初期待していた、「担当者から承認者への複雑な手続きなく、申請ができること」「Web上で契約情報を確認できるようになること」が実現でき、業務効率が上がったと考えています。

今後への期待

捺印レスになったことで業務の手間が省け、効率化できています。今後への期待としては、当社内の稟議許可案件か否かの判断がしやすくなるようなメモ機能などが充実するとより使いやすくなると思います。

今回の電子契約の導入を契機に、リース契約書上の表記(支払開始月や設置場所などの記載)の仕方を工夫していくことで、社内共有がよりスムーズになると考えています。

※新型コロナウイルスをはじめとする感染症予防対策を取った上で、取材を実施しております。

(内容、肩書は2021年3月時点)

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