リース業界のリーディングカンパニーが語るリース業界最新動向

リース業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立している三井住友ファイナンス&リース(SMFL)。
最前線に立つ者ならではの知見を基に、業界の最新動向や課題について解説するシリーズ「リース業界 最新動向」。第1回は、常務執行役員の忍田 治が、リース業界のこれまでの歩みを紐解きながら、現在のwithコロナ時代、今後のNew Normalな時代のビジネスモデルを見定める。

社会・経済の発展とリース産業の関係

SMFL常務執行役員忍田治
常務執行役員 忍田 治

産業界の発展と共に成長してきたリース業界。現在の市場規模(2019年度:リース取扱高)は5.3兆円。その歴史は1950年頃の米国を起源とし、我が国では1963年の日本リース・インターナショナルの設立に始まる。

高度経済成長期には日本企業の旺盛な設備投資意欲と連動して急成長を遂げ、ピーク時(1991年度)の市場規模は8.8兆円に達した。

しかしその後、リース業界は国内経済成長の鈍化に伴い、市場規模は7兆円ほどで足踏みする。2008年のリース会計基準の改正やリーマン・ショックの影響を受け、2010年度には4.6兆円まで減少、他の産業界と同様、リース業界も社会・経済の変化に合わせた変革を余儀なくされる状況になった。

この10年ほどの間、リース各社はアジアを中心とする海外への事業展開や航空機リースへの参入、再生可能エネルギーに代表される環境ビジネスの取り組みなど、新たな事業分野への進出を行ってきた。しかし2020年に入り、「withコロナ」時代に即したさらなる変革に取り組んでいくことが喫緊の課題になったといえる。

リースの「モノを持つ」という機能のユニークさ

ファイナンスカンパニーとしてリース会社の特徴はどのようなところにあるのか。SMFLの常務執行役員・忍田 治は次のように語る。

「リース業界には、他の金融セクターにないユニークさがあります。それは“お客さまの代わりにモノを持つ”機能です。有形無形のさまざまな資産をリースするというビジネスの特性から、リース会社は資産の保有から管理、廃棄、リサイクルに至るまで、モノのバリューチェーン全体に関与しています。

今後は、このユニークさを生かし、単なる賃貸業務から資産のライフサイクルマネジメントというサービス業務に変革することが求められています」

SMFL常務執行役員忍田治

では、SMFLの特徴は、どのようなところにあるのか。

「当社の強みの一つは、三井住友フィナンシャルグループと住友商事の戦略的共同事業の下、メガバンクグループと総合商社が有する広範かつ強固な顧客基盤やネットワークを活用できるとともに、事業におけるさまざまなノウハウや各種知見を共有できることにあります。

また、従来のリース・ファイナンスに加えて、お客さまや社会からのニーズの高い不動産、環境エネルギー、ヘルスケア、3R(リデュース・リユース・リサイクル)などの分野を中心に、事業投資や事業運営など、金融にとどまらない新たなサービスにも積極的に取り組んでいます」

折しも、シェアリングやサブスクリプションといった新しい概念が台頭してきている。リース業界に求められていることとは何だろうか。

「“使用による対価の支払い”“資産の有効活用”という観点で、今後通信機器やインフラなど、さまざまな分野で新たな資産の提供形態が普及していく可能性があります。“リース”という枠組みを超えた発想力を磨いていくことが、リース業界に求められていると考えています」

新しいビジネスモデルをつくるには他業種とのタイアップが不可欠

一方で、リース会社単独で全てを変革することは難しく、自由でオープンな発想を軸に、製造業やITなどの異業種との協働などにより、新しいビジネスモデルを構築していく必要があるという。

「資産運用を担う“アセットマネジャー”としてリース業界が飛躍していくためには、“モノを持つ”という機能を軸に、技術やアイデアを豊富に持つビジネスパートナーと組み、新しい価値を生み出していくことが業界あげて取り組むべき課題だと思います」

ここでSMFLの例を出すと、設備・プラント処分元請事業を担う新会社(㈱SMART)の設立や、水力発電事業会社への資本参加(ともに2019年4月)、ヘルスケアファンドの組成(2019年7月)、太陽光発電事業への参画(2020年2月)など、次々とビジネスパートナーとの協業を発表している。

「リース各社はさまざまな分野で事業参画し、新しいビジネスモデルを検討しています。スマートシティ構想や地域電力に貢献するバーチャルパワープラント(VPP)といったエネルギー分野の他、ヘルスケア、農業、社会インフラなど、リース会社が貢献できるフィールドは確実に広がっているだけでなく、事業そのものを通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献しています」

SMFLは、2020年4月に発表した「SMFL Way」において、「お客さまの最良のビジネスパートナー」「SDGs経営で未来に選ばれる企業」などをOur Vision(私たちの目指す姿)と定めた。リースはもともとSDGsとの親和性が高いビジネスといえるが、改めてSMFLはSDGs経営が重要だという姿勢を明らかにしている。

画面を拡大してご覧下さい。

SMFLWayのOurVision(私たちの目指す姿)。「お客さまの最良のビジネスパートナー」として私たちは、金融の枠に留まらないソリューションの提供を通じて、お客さまの課題解決に貢献し、共に発展する企業を目指します。「SDGs経営で未来に選ばれる企業」として私たちは、SDGsに正面から取り組み、未来に向けて社会の持続的な発展に貢献し、次の世代に選ばれる企業を目指します。「社員のチャレンジと成長を応援する企業」として私たちは、意欲ある多様な社員が思う存分に活躍できる環境を創り、一人ひとりのチャレンジを応援し、共に成長する企業を目指します。「デジタル先進企業」として私たちは、デジタルをエッジとし、ビジネスの変革を推進する企業を目指します。

あらゆるモノを扱うリース会社だからこそ、発想の限界を取り払い、事業領域を際限なく広げることが可能になる。現在のwithコロナ時代はもちろん、今後のNew Normalな時代に向けて、SMFLは社会の持続的な発展に貢献し、共に発展する企業を目指していく。

(内容、肩書は2020年9月時点)

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