“攻めの省エネ”で脱炭素化とエネルギー安定供給の両立を実現

2021年10月に閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」。脱炭素化の推進とエネルギーの安定供給とを両立させる、基本計画の土台は「徹底した省エネ」だ。また、2022年3月に改正案を閣議決定した省エネ法により、政府はエネルギーを使う側と供給する側の双方で、化石燃料からの構造転換を促した。国際エネルギー市場が激震している現在、さらにもう一歩、“ 攻めの省エネ ” を実現するための対策を、三井住友ファイナンス&リース株式会社(SMFL)執行役員・福原豊樹に聞いた。

省エネ法の改正で脱炭素化が格段に加速。さらなる省エネ施策の実行が必須に

資源エネルギー庁は2020年10月、第6次エネルギー基本計画策定に向けた議論を開始した。脱炭素化の推進と、エネルギーの安定供給とを両立させる道筋をどう描くか議論を始め、その根本となる基本計画の土台は、「徹底した省エネ」だった。

「年1.7%の経済成長を前提に、2030年度のエネルギー需要を対策前と比べて、年8%程度削減するという計画でしたが、省エネの進捗は計画から大きく劣後し、足元の削減量は目標の半分にも届いていません。脱炭素化の推進とエネルギーの安定供給を実行する上で、省エネ自体が立ち遅れていたのです」

執行役員
福原 豊樹

こう話すのは、SMFLの環境エネルギー分野を分掌する執行役員・福原豊樹だ。その後、2021年10月に同基本計画は閣議決定。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、政府は2030年度の再生可能エネルギー比率の目標を、22~24%から36~38%に引き上げることになった。

一方、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)により、民間企業で一定量以上のエネルギーを消費する事業者は、毎期、使用エネルギー量の報告を義務付けられている。さらに、省エネ法は2022年3月に改正案が閣議決定された。この改正案が施行されると、エネルギー使用量の多い1万2,000社の企業は、再生可能エネルギーの使用割合の目標設定も義務付けられる。これにより政府は、エネルギーを使う側と供給する側の双方で、化石燃料から再生可能エネルギーへの構造転換を促す。

「オイルショックのあった1970年代から、日本企業は世界に先駆けて省エネに取り組んできました。今もなお製品を作るための生産設備、工場に電気・水・空気などを供給するユーティリティ設備の更新や改修の都度、まるで乾いた雑巾を絞るように、さらなる省エネ施策の取り組みを余儀なくされています」

※ 2023年4月の施行に向けて、通常国会での成立を目指す。

省エネ設備投資には補助金活用×費用の長期平準化が可能なリース活用が最適解

「自社ですぐにできる省エネルギーの投資と聞いて、多くの方がまず頭に浮かべるのは、LED照明や高性能空調機の導入でしょう。商業ビルや工場など、業務系・産業系を問わず、企業がまず取り掛かり、適宜見直しを行っている省エネ対策は、こうしたユーティリティ設備の改修です。これらの設備は技術革新が激しく、省エネ効果は年々高まっています。つまり、設備改修を実施するだけで大きな省エネ効果が得られるのです」

また、これらの設備改修は、「省エネ=エネルギーの使用合理化」という観点で、経済産業省資源エネルギー庁所管の補助金団体から設備投資額の一定割合の補助金が交付されるケースも多い。

「国の補助金事業も後押しとなり、省エネ設備の改修は実施されてきました。売り上げ向上に直接寄与しない照明や空調設備などの省エネ設備の導入については、イニシャルコストが発生せず、費用の長期平準化が可能なリースが最適だと考えます。さらに言えば、多種多様な機器の導入に際し、リース会社がメーカー、販売会社への発注を一本化することで企業の負担を軽減することができます。リース会社は事業を通して、省エネ設備の導入を後押ししているのです」

SMFLグループの補助金関連ソリューション

(1)補助金リース(リースで共同申請を行う場合)

(1)補助金リース(リースで共同申請を行う場合)

(2)補助金コンサル(SMFLみらいパートナーズの支援を受けた事業者が単独申請を行う場合)

(2)補助金コンサル(SMFLみらいパートナーズの支援を受けた事業者が単独申請を行う場合)

毎年200件超の補助金採択サポート実績で、廃熱回収や再エネ導入など“攻めの省エネ”をSMFLグループが支援

省エネ対策であっても投資回収期間という尺度で投資基準を策定している企業は多い。「そうした企業には、補助金を活用してイニシャルコスト自体を低減させ、残りの設備投資資金をリースで調達し、リース期間を通して定額で平準化して返済したいというニーズも根強くあります。リース会社は、資金の出し手という役割を超えて、補助金の申請や採択に関する事務受託(補助金申請事務のアウトソーシング)の役割を担っています。さらには、省エネの次の課題である脱炭素化の推進やエネルギーの安定供給への貢献が求められています」

SMFLには事業者側から、省エネ設備の導入に際し「多岐にわたる補助金制度から自社に最適なものを選んで申請するのは容易ではない」という戸惑いの声が上がっている。これを受けてSMFLでは、省エネ・脱炭素関連や自家消費太陽光発電を中心に、SMFLがサポート可能な補助金について社員教育を強化している。顧客向けにも、「脱炭素対策セミナー(補助金編)・(太陽光編)」を開催。800人近くの参加者に向けて、「補助金編」では、令和3年度補正予算・令和4年度予算案の中から活用事例も交えながら注目補助金を、「太陽光編」では、自家消費太陽光発電のリース・PPAでの導入方法や検討時の注意点や活用事例をそれぞれ紹介した。

補助金の多くは、わずか1カ月程度という短い期間で公募が締め切られる。公募期間中に滞りなく申請をするためには、事前準備と計画的な推進が欠かせない。SMFLグループでは毎年200件超の補助金の採択サポート実績を上げているが、なかでも好評を博しているのが、省エネ設備補助金の活用に特化したコンサルティングサービスだ。補助金の存在は、企業が新たな省エネ対策を講じる際の後押しになっている。

「多くの日本企業では、すでにLED照明の導入が進み、空調設備の入れ替えも一巡しています。今後は、廃熱回収(ヒートポンプ・コージェネレーション〈熱電併給〉)をはじめ、発電や熱エネルギーの電化といった再生可能エネルギーの導入、カーボンフリー電力切り替えなど、新たな省エネ施策が必要です」と、福原は示唆する。

エネルギー価格高騰が加速を続けている現在。この世界共通の喫緊の課題に対し、SMFLグループが提供する各種ソリューションは、企業の “ 攻めの省エネ ” を強く後押しするツールであるといえるだろう。

(内容、肩書は2022年6月時点)