今さら聞けない!? 電話マナーで気を付けるべきポイントは?
ビジネスシーンではメールでのやり取りが増えていますが、アポイント取りや業務連絡をする上で、電話でのコミュニケーションもまだまだ欠かせません。最近では、若い世代を中心に電話に対して苦手意識を持つ人が少なくないといいます。そこで、今一度電話マナーの基本を振り返ってみましょう。意外と知らなかったり、間違えて覚えたりすることもあるかもしれません。
「電話で気を付けるべきポイントは、『第一声が明るくさわやかに言えているか』、『保留時の言葉遣い』、『用件を要約した上、丁寧にクロージングできているか』の3点です。特に保留時は『少々お待ちください』とする人が多いのですが、強要しているように捉えられる恐れがあるので、『少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか』や『よろしければ、私が承ります。いかがいたしましょうか』と依頼形にしましょう」
こう話すのは、マナー講師でフリーアナウンサーの五十嵐由美子さん。五十嵐さんによれば、この3つのポイントさえ押さえれば、仕事を進める上でトラブルになることはないとのこと。そのほか、ネット上でよく目にする電話マナーに関する疑問について聞いてみました。
Q1. ビジネス上の電話で「もしもし」と呼びかけるのは失礼?
「普段の習慣で、『もしもし』と電話に出てしまうことがあるかもしれません。諸説ありますが、『もしもし』は『申す申す』の略語で、若者言葉の名残りでもあり失礼にあたるため、ビジネスの場ではふさわしくありません。電話に出る際は『はい、お待たせいたしました』という表現を使いましょう。また、保留をした後に相手に呼びかけるときは、『鈴木さま』など相手の名前を呼びかけてから会話を始めるのがよいでしょう」(五十嵐さん 以下同)
Q2.初めて電話する相手に「お世話になっております」と言ってもいいもの?
「初めての相手に『お世話になっております』というのは、たしかに違和感があるかもしれません。その代わりに使う表現として、これから仕事でお世話になるかもしれないという気持ちを込めて、『お世話になります』の言い回しなら、より自然で良いと思います」
Q3. 相手の言葉を聞き取れなかったときのスマートな聞き直し方は?
「まずは『申し訳ございません。少々お電話が遠いようですが、もう一度お話いただいてもよろしいでしょうか』と再度伺います。それでも聞き取れない場合は、『おっしゃったのはAでしょうか? それともBでしょうか?』と相手を誘導するクローズドクエスチョンと呼ばれるテクニックを使います。あまりやりすぎると尋問のように聞こえてしまうので、できるだけやわらかい言葉遣いで聞くようにしましょう」
電話に出る人が会社の代表であることを自覚してほしいと五十嵐さん。対応時のマナーが会社の印象を左右することもあるため、そうした点を意識し、相手に失礼のない電話対応を心がけてみてはいかがでしょうか。
(杉山大祐/ノオト)
取材協力
五十嵐由美子さん
元富山テレビ放送アナウンサー。その後、フリーになりフジテレビなどでレポーターやナレーターなどの経験を積む。また、日本サービスマナー協会の認定マナー講師として、「ビジネスマナー講座」「企業研修」なども行う。