“金融×事業×DX・文化事業協賛・社会貢献活動”で取り組む、SMFLグループの次世代支援

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)グループは、経営理念・経営方針を示す「SMFL Way」のOur Vision(私たちの目指す姿)の一つとして「SDGs経営で未来に選ばれる企業」を掲げ、SDGs経営推進のために4つのマテリアリティ(重点課題)を設定している。その一つが「次世代」。SMFLが注力する、次世代を担う “ 人 ” の発展に向けた2つの取り組み事例を紹介する。
主業でSDGsに貢献し、未来の基盤をつくる
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)グループはSDGs経営の推進にあたり、「環境」「次世代」「コミュニティ」「働きがい」の4つのマテリアリティ(重点課題)を定めている。そのなかで、SMFLグループが「次世代──次世代につながる人・企業の発展に貢献」を重視する理由について、代表取締役専務執行役員の関口栄一が次のように語る。
「次世代をマテリアリティに掲げる目的は、大きく2つあります。一つはDXを含む新技術の開発・導入、もう一つは将来を担う子どもたちへの支援です。どちらも未来の基盤づくりには欠かせません。人口減少社会、少子高齢化に直面する日本では特に重要な意味を持ちます」
「次世代」の発展につながるSMFLのソリューションの一つが、2019年12月から取り扱いを開始しているSDGsリース『みらい2030®』(寄付型)だ。契約先であるユーザーからのリース料の一部を、SMFLがSDGsの達成に資するNPO団体などに寄付する。SDGsリースはこれまで累計2,124社(2025年3月末時点)と数多くの取引先から賛同を得ており、寄付先各団体からの「感謝の気持ち」や「寄付金の使途」を伝える動画も制作している。
具体的な寄付先は次の5団体だ。
認定特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン

「すべての人がすべての場所で、清潔な水と衛生設備を利用し、衛生習慣を実践できる世界」をビジョンに世界30カ国に拠点を置き、アジア、アフリカ、南米など計22カ国で水・衛生プロジェクトを実施。
認定特定非営利活動法人キッズドア

「すべての子どもが夢や希望をもてる社会の実現」を目指し、小学生から高校生世代の貧困家庭の子どもたちを対象に学習支援や居場所支援、体験活動・キャリア教育、ファミリーサポート事業などを実施。
認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク

難病の子どもとその家族を支えるため、難病や障がいのある子どもに関する各種専門家による「相談活動」、サマーキャンプなどの「交流活動」、シンポジウムや機関誌の発行などを通じた「啓蒙活動」、山梨県北杜市白州の “ あおぞら共和国 ” を始めとする積極的な「地域活動」を実施。
公益財団法人日本補助犬協会

日本で唯一、3種類の補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)を育成・認定する団体。日常生活に不自由・不安を感じている障がい者、障がい児を支援するため、自閉症児支援犬の育成や、学校・病院へのファシリティドッグ派遣を実施。
一般社団法人more trees

地域との協働で進める「多様性のある森づくり」を国内外24カ所で展開。「都市と森をつなぐ」をキーワードに「森と人がずっとともに生きる社会」を目指したさまざまな取り組みを実施。
イギリスのボーイ・ソプラノ・ユニット『LIBERA』の来日公演に協賛
SMFLグループの「次世代」につながる取り組みは、主業の金融×事業×DXの枠にとどまらない。2023年からイギリスのボーイ・ソプラノ・ユニット『LIBERA』の来日公演に冠スポンサーとして協賛している。
LIBERAは、イギリス・サウスロンドンに住む7歳から18歳までの少年たちのなかからオーディションにより選抜結成されたボーイ・ソプラノ・ユニットだ。CDアルバムは世界中のクラシック・チャートで1位を獲得。その “ 天使の歌声 ” は世界中の人々を魅了し、日本にもファンが多い。
関口は協賛を決めた理由を次のように語る。
「コロナ禍で2020年から2022年の3年間、LIBERAの来日公演はかないませんでした。SMFLがご縁をいただいたのは、コロナ禍が明けて長らく待望されていた4年ぶりの来日に道筋がついた時です。LIBERAの純真な姿と歌声に強く惹かれ、感銘を受けたことから来日公演への協賛を決めました。この協賛を通して、SMFLグループが重視する『次世代につながる人・企業の発展に貢献』する姿勢をお客さま、そして社会に知っていただくきっかけになればと思っています」(関口)
通常、少年合唱団は変声期を迎えると退団となるが、LIBERAのメンバーは、卒業後も高校や大学に通いながら、コンサートスタッフや指導者として活動を続けるメンバーが多い。
「SMFLグループもさまざまなバックグラウンドを持つ多様性のある人材が、それぞれに適した場所で活躍しています。こうした共通点も協賛の決め手の一つになりました」(関口)
この取り組みは、SMFLグループ社員におけるSDGs経営推進の意識の醸成にもつながったという。
2023年5月には、アルバム『絆~FOREVER』リリース記念発表会とSMFLグループ社員向けの特別コンサートが開催された。LIBERAの歌声を聴いた社員からは「当社が文化芸術振興発展に協賛することは、感動の分かち合い、心豊かな時間の共有、社会貢献として意義深い取り組みだと感じました」という声が寄せられた。
また、2023年と2024年に開催された来日公演には、SMFLグループの取引先を招待し、お客さまからも好評を博した。
「“ 天使の歌声 ” と呼ばれるハーモニーが織りなす美しい音楽に心が洗われる思いで特別な時間を過ごせました。LIBERAの歌声には、日常の喧騒を忘れさせる力があり、大変感動しました」(招待客)

写真提供:ウィステリアプロジェクト
キャンプや自然体験学習の機会を提供、「体験格差の解消」へ
「次世代」を見据えるSMFLは、貧困家庭の子どもを支援するため、SDGsリース『みらい2030®』(寄付型)の寄付先であるキッズドアの活動も直接的にサポートしている。その取り組みの一つが、キッズドアが2023年11月と2024年11月に主催したキャンプイベントへの協力だ。
背景には、家庭の経済的な状況やコロナ禍などの影響により子どもの体験活動の機会が減り、体験格差が広がることへの懸念がある。本イベントは、キャンプや自然体験学習といった “ 感動体験 ” を子どもに提供し、「体験格差の解消」に貢献することを目的に、SMFLの取引先である日本国土開発株式会社(以下、日本国土開発)が開発・運営するアウトドアリゾート施設「IZUMI PEAK BASE®(泉ピークベース®)」(仙台市泉区)で開催した。
SMFLが同社に支援協力を要請し、「SDGsに貢献できる企画」として快諾を得て実現したもので、SMFLはキャンプに付帯する費用を、日本国土開発はキャンプやバーベキュー、テントなどのレンタル費用の一部をそれぞれ寄付した。
支援の理念に共鳴する企業の輪はさらに広がっている。2025年2月には、石坂産業株式会社が運営する環境教育フィールド「三富今昔村」(埼玉県三芳町)で里山体験イベントを開催した。
三井住友銀行主催のサーキュラーエコノミー座談会をきっかけに、SMFLのキッズドアへの取り組みを同社に紹介し、今回の体験活動が協働で企画された。
事業活動に伴って発生する産業廃棄物を回収し、リサイクルや適正処分を行う “ 静脈企業 ” である同社は、廃棄物再資源化プラントの工場見学を受け入れており、子どもたちにサステナビリティについて考える機会も提供している。

「食事格差の広がり」にも対応
体験だけでなく、子どもの「食事格差の広がり」も大きな社会課題となっている。
キッズドアに登録している家庭の多くは、安定的に食事を取ることができていない。対するキッズドアは、学習支援のノウハウは持っているものの、食材を集めるノウハウは確立されていない。
こうした背景を踏まえ、SMFLは自社が推進するプロボノ活動(仕事で培ったスキルやノウハウを生かしたボランティア)の一環として、キッズドアに登録する子どもへの食事支援を実施している。
これまで、同団体が提供する学習支援の場から足が遠のいている子どもが、食事イベントをきっかけに再び学習支援の場に通うようになる事例があったことも背中を押した。
2024年12月、プロボノ活動のメンバー募集に応じたSMFL社員が中心となり、キッズドアの学習拠点でクリスマス食事会と食材支援を企画・実行。参加者には料理や飲み物、ビンゴゲームによる景品、手土産などが振る舞われ、そのほとんどは支援の趣旨に賛同したSMFLの取引先により提供された。協力提案を行ったSMFLの営業担当者からは「お客さまとの距離が近づいた」、協力企業からは「次回も協賛したい」といった声が寄せられ、2025年度も同様の支援の実施を予定している。

SMFLグループは、中期経営計画(2023~2025年度)の戦略の一つに「更なる社会課題の解決」を設定し、その施策の一つに「事業を離れた社会の優先課題に対する貢献」を掲げている。関口は最後に、次のように言葉に力を込める。
「SDGsリースを通じた寄付活動に加え、事業を離れた社会課題解決として、貧困・教育を中心としたプロボノ活動、次世代を担う子どもたちへの教育・学びの機会の提供に、引き続き尽力してまいります」
次世代の未来を明るく照らし続けるSMFLグループ。その支援のさらなる進化・深化に注目したい。
音楽の力と企業の力が融合し、SMFLの理念が体験として広がっていく
ウィステリアプロジェクト 取締役社長
児玉洋子氏
──SMFLに協賛を打診した背景・期待についてお聞かせください。
LIBERAは、イギリス・サウスロンドンを拠点とする少年たちによって構成される、世界で唯一無二のボーイ・ソプラノ・ユニットです。彼らは、伝統的な合唱の枠を超え、クラシックとポップスを融合させた独自のスタイルで、世界中の人々に感動を届けています。その活動は、音楽を通して “ 次世代を育てる ” というテーマそのものでもあります。
実は、LIBERAが初来日した当初から応援してくださっていた方からのご縁が、SMFLの関口さまへとつながり、まるで奇跡のような出会いが実現しました。このご縁をきっかけに、初めて冠スポンサーとしてご一緒できたことを、私どもも大変誇りに感じています。
──実際にSMFLが協賛したことについてどのように感じていますか。
私どもの窓口としてご一緒させていただいた広報IR部の皆さまには、LIBERAの “ 純真な姿と歌声 ” に深く感銘を受けていただき、私どもも心から感動いたしました。特に、LIBERAのステージを “ SDGsへの貢献 ” の機会として捉えてくださり、企業としての深い理解と共感に心を打たれました。
社員の皆さまに向けた特別コンサートの実施や、取引先との感動の共有を通じて、SMFLさまが掲げる “ 次世代を育む ” という理念が現実の体験として広がっていく様子を目の当たりにし、音楽の力と企業の力が融合する可能性を強く感じています。
──今後、SMFLとともにどのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか。
LIBERAは、年齢や国籍、個性の違いを超えて、音楽を通じて多様性を尊び、世界とつながるユニットです。変声期を迎えてもなお、卒業生がスタッフや指導者として活動を続けるその姿勢は、“ 多様性の活躍 ” を掲げるSMFLさまの企業文化とも深く共鳴しています。
これは、音楽という文化を通じて人が成長し、次の世代へとバトンを渡していく姿そのものです。SMFLさまが推進する “ 持続可能な社会づくり ” とも響き合う在り方だと感じています。来日公演だけでなく、教育や地域との連携を通じて、子どもたちの心を育むような取り組みをご一緒できたらうれしく思います。音楽と志の力で、未来に希望の光を灯していきたい──SMFLさまとの出会いは、その一歩を力強く後押ししてくれました。
Concert Report
いのちの光に輝く天使たち
──2024年10月29日(火) 「Angel Voices Tour 2024」
text:池田卓夫 音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎
10月も終わりになって気温が急激に低下、冷たい雨の降る東京・渋谷の公園通りからLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の客席にたどり着くと、心洗われる歌声が待っていた。サウスロンドンに暮らす7歳から18歳までの少年による合唱、と聞いただけではモノカルチャーを思い浮かべてしまうけれども、実際は音楽的にも人種的にも、かなりのダイバーシティ(多様性)に富んでいた。
それぞれが自己紹介する場面ではドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポーランド語、クロアチア語……とルーツの言葉を話すものの、もはや英語なまりなのが微笑ましい。MCには日本語の字幕がつき、音響エンジニアが響きを豊かに膨らませ、歌う立ち位置や照明にも変化をつけているので、ただリラックスして、ぼんやりと歌声に浸っていても退屈することはない。選曲とアレンジのセンス、独唱も合唱も行き届いた訓練のたまものでクオリティが高く、徹底してプロフェッショナルに仕上がったエンターテインメントのステージといえる。
教会の少年聖歌隊から、より自由(リベラ)なユニットに転じて四半世紀あまり。日本でも早い時点でテレビドラマや映画の音楽に採用され、男女を問わず幅広い世代に支持されてきた実績は、この日の客席を見渡しても明らかだった。
セットリストは日本先行発売の最新アルバム「DREAM」収録曲を中心に編まれ、オリジナルだけでなく、英国バロックのパーセルからベートーヴェン、リスト、ガーシュインまでのクラシック名曲に歌詞をつけたもの、ハロウィンからクリスマスにかけての季節の名曲まで、実に多彩である。とりわけ坂本龍一が映画『戦場のメリークリスマス』のために書いた「メリークリスマス Mr.ローレンス」に基づく「ONCE 永遠のひととき」、ジョン・レノン&オノ・ヨーコがヴェトナム戦争への抗議をこめて書いた「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」の2曲には、今も争いの絶えない世界に対する少年たちなりの憂いや祈りが投影され、聴く者の胸に深くしみ込んだ。彼らの発する歌声でホール全体の空気が清められ、次第にストレスも洗い流され、究極のデトックスを味わった気分に至る。
穏やかな雰囲気のなかで何かを満たされ、数時間前よりも元気になった人々の笑顔がそこにはあった。ふと「いのちの光に輝く天使たち」という言葉が思い浮かび、天上の光が舞台上の少年たちを介して客席の老若男女へと広がっていくような光景を想像した。

(内容、肩書は2025年7月時点)
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