大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とするリニアエコノミーから、資源循環を通じて廃棄物の発生を抑制しながら付加価値を創出するサーキュラーエコノミーへの転換が進んでいます。その中で注目される手法の一つがリマニュファクチュアリング(再製造)です。
本記事では、リマニュファクチュアリングの概念やメリット、国際的な政策動向を解説します。
本記事について
本記事は、サーキュラーエコノミーを推進する三井住友ファイナンス&リース株式会社が社内啓蒙用に発行している「Circular Economy Newsletter」を再編集し、サーキュラーエコノミー普及の取り組みの一環として制作したものです。
リマニュファクチュアリングとは?
リマニュファクチュアリングは、廃棄物削減や資源の有効活用に貢献するサーキュラーエコノミーにおいて重要な手段です。
ここでは、基本的な概念と、ほかの再生技術との違いを解説します。
使用済みの製品を新品同様の性能・品質に戻す
リマニュファクチュアリングとは、一度使用された製品を分解し、再構築することで性能・品質ともに新品同様に回復させることを指します。
「リマニュファクチュアリング」とその他の再生手法の違い
製品のライフサイクルを延長する手法は複数あり、それぞれの違いは下記の通りです。
- リマニュファクチュアリング(再製造)
- 使用済み製品を分解・洗浄・検査・補修・再組立・最終検査し、新品同様の性能・品質で提供する
- リファービッシュ(再整備)
- 部品交換や清掃を行い、外観や基本機能を回復する。中古再生品として再販されることが多い
- リユース(再使用)
- 修理などはせず、そのまま使用する
- リペア(修理)
- 故障部分を修理して再利用する
- リサイクル(再資源)
- 素材レベルまで分解し、原材料として再利用する
リマニュファクチュアリングは、ほかの手法と比べて特に再生後の性能や品質の高さが特徴です。
リマニファクチュアリングを後押しする各国の法規制と国際情勢
リマニュファクチュアリングが推進される背景には、各国の法規制や国際情勢の変化が挙げられます。
各国で整備が進む法規制
EUをはじめフランス、アメリカなどでは、修理することで製品の寿命をのばすことができるよう法律が制定されてきています。
| 国・地域 | 法規制の例 |
|---|---|
| EU | エコデザイン規則により、修理可能性などのエコデザイン要件を満たす製品設計や情報の開示を義務化 |
| フランス | 製品ごとに修理のしやすさを示す「修理可能性指数」の表示をメーカーに義務化 |
| アメリカ(ニューヨーク州、ワシントン州) | デジタル修理の権利法(Digital Fair Repair Actなど)により、消費者や独立系修理業者が電子機器の修理に必要な情報や部品へのアクセスを保証 |
これらの法規制により、従来の「使い捨て」から「修理して再利用すること」を前提とした製品設計への大きな転換が進んでいます。
国際情勢の変化
近年、世界情勢の変化により輸入依存リスクが高まっています。関税政策や資源保有国の動向により安定的に原材料を調達できなくなる可能性もあり、先行きが不透明な状況が生まれています。
こうした背景から海外からの輸入に頼るのではなく、国内で製品を回収し、必要な部品だけを取り替えたり、修理したりして再利用する必要性が高まっています。
リマニュファクチュアリングに取り組む4つのメリット
リマニュファクチュアリングには、環境と経済の両面で次のメリットがあります。
- 環境負荷の低減
- 継続的収益構造の確立
- 製品開発へのデータ活用
- 顧客のコスト負荷軽減による新規顧客獲得
リマニュファクチュアリングで使用済みの製品を活用することで、製造過程で排出する温室効果ガスの量を削減し、環境負荷の低減にも寄与します。実際、とある企業では製品の製造において、リマニュファクチュアリングを導入した結果、製造工程でのCO2排出量を約80%削減できた事例があります※。
また、製品の回収と再販売を行うリマニュファクチュアリングにより、継続的収益モデルへと転換することが期待されます。回収した製品から収集したデータは、製品の研究開発にも活用できる場合があります。
リマニュファクチュアリングにより再生された製品は、新品同様の性能を持ちながら、価格は新品よりも低く提供できる可能性があります。高性能・低価格な製品の提供により新規顧客獲得やリピートにもつながることが期待されます。
※ 出典・参照元:環境省「平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第3章第3節 環境・経済・社会の諸課題の同時解決に向けた取組事例」
リマニュファクチュアリングで実現する、循環型社会の未来
リマニュファクチュアリングは、環境配慮と経済性を両立しながら企業の持続的成長を支える手段と考えられます。
「再生前提」のものづくりが当たり前となる社会が想定される中、企業はリマニュファクチュアリングを含む循環型ビジネスモデルへの転換に向け、具体的な取り組みを始める段階にあります。これは社会貢献にとどまらず、将来の競争力を高めるための先行投資と位置付けられるでしょう。
(内容は2026年2月時点)
文・編集:株式会社メンバーズ
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