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POINT 1
脱炭素に取り組む目的を
整理してから、方針を検討
脱炭素化の目的によって、
自社に合った方針を検討
-
目的
脱炭素で差別化し、取引を優位に進めたい
施策方針
競合他社と比べてインパクトのある削減ゴールを設定
-
目的
取引先から温室効果ガス排出削減や再生可能エネルギー由来の電力使用の要請を受けた。関係強化のチャンスにしたい。
施策方針
取引先の要請に対応するだけでなく、更なる削減案や合理的な削減プラン提示により更なる関係強化を図る。
POINT 2
温室効果ガスの
削減ポイントを検討する
熱と電気があるところに
削減機会あり
-
熱の場合
熱は燃焼時に大量のCO2を排出=直接排出 -
電気の場合
電気は発電時に大量のCO2を排出=間接排出
脱炭素の取り組み4STEP
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自社の脱炭素化4STEP
-
STEP1 省エネ
最新設備の導入により
エネルギー利用量を抑え、
光熱費などの削減も見込めます。既存の照明をLED照明に変更したり、空調や冷蔵・冷凍設備・給湯器など、最新の設備と比べてエネルギー効率が低い設備を更新することで、温室効果ガスの排出抑制につながります。エネルギー消費が抑えられることで脱炭素だけでなく光熱費の削減にも寄与します。また、既存設備のメンテナンスや断熱効果の高い窓など、省エネ促進設備の導入により省エネ・脱炭素に貢献できる場合もあるようです。
省エネはすぐに実践できる脱炭素の取り組みの一つですが、省エネのみで温室効果ガス排出を大幅に抑制することは困難です。長期的には利用するエネルギー自体の見直しを視野にいれつつ、短期的な施策として取り組むと良いでしょう。
省エネ設備の導入 省エネ促進設備の導入・
設備のメンテナンス- LED照明
- 高効率空調設備
- 高効率冷凍・冷蔵設備
- 空調のフィルター交換
- 設定温度の変更
- 窓の断熱効果の向上
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STEP2
熱エネルギーの
低炭素化とリサイクル
CO2排出の少ない燃料利用や
廃熱リサイクルによる低炭素化低炭素化
水素など、燃焼時にCO2を出さない燃料の利用や生育時にCO2を吸収する植物由来のバイオマス燃料に期待が集まっています。しかしながら技術面・インフラ面に課題があり、現在は利用シーンが限られる技術です。短期的には重油をLNGに転換するなど、燃焼時のCO2排出が少ない燃料へ転換することでCO2排出を抑制します。
廃熱リサイクル
ボイラーなどを用いて発生した熱を再利用するコージェネレーションシステムやヒートポンプの導入により、今まで廃熱として捨てられていた熱エネルギーの再利用が可能です。熱エネルギーを再利用することで全体の燃焼量が減少し、脱炭素化に繋がります。
-
STEP3
熱エネルギーの電化
+
電気の再生可能エネルギー化
再生可能エネルギー電力の
利用により
一気に脱炭素化を前進熱エネルギーの電化
熱エネルギー需要を燃焼由来の熱エネルギーから電気由来の熱エネルギーへと電化することで脱炭素化を促進します。ガソリン車を電気自動車にしたり、ボイラーなどを用いて利用していた熱エネルギーを、電気をつかってヒートポンプで発生させる方法などがあります。工業炉など、高温が必要になるシーン以外での100℃前後の熱利用であれば電化できるシーンが増えています。
電気の再生可能エネルギー化は
脱炭素を一気に進める注目技術です。再生可能エネルギーの導入方法は大きく分けて2つあり、自社の設備内に再生可能エネルギーによる発電設備を導入する方法と、他所で再生可能エネルギーを用いて発電された電力を購入する方法があります。また、導入方式も複数ありますので、自社に適した方式を検討しましょう。
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STEP4 オフセット
燃転・電化・再エネ化では
足りない場合は
オフセットも検討さまざまな脱炭素化施策を行っても、企業の業態・業種によっては現代の技術では排出削減が難しいケースや完全な脱炭素化が難しいケースがあるようです。企業で完全な脱炭素化には他の企業や団体が削減したCO2排出を「環境価値」として購入する方法があります。主なものではグリーン電力証書、Jクレジット、非化石証書などがあり、自社の用途に合わせて適したものを選択しましょう。
コラム
将来的にはCCU・CCSなどの炭素回収技術が実用化
大気中から二酸化炭素を取り出し、資源として再活用(CCU)したり地中に貯蔵する(CCS)技術も研究が進んでいます。国際エネルギー機関(IEA)の報告書では、パリ協定で長期目標となった「2℃⽬標」(気温の上昇を2℃より低く保つこと)を達成するため、2060年までのCO2削減量の合計のうち14%を担うことが期待されており、日本でも研究が進んでいます。しかしながら、全体の排出量のカバーは難しく、各企業の脱炭素化に向けた取り組みが重要です。
POINT 3
時間軸とキャッシュフローを
検討する
キャッシュフローの試算
省エネによるコスト削減額・設備投資額・電力調達コストなどを加味
補助金・優遇税制の活用
脱炭素化に向けた各種補助金を有効活用することで設備導入の負担を軽減できる場合があります
企業が脱炭素に取り組む上では、キャッシュフローの検討も欠かせません。小規模な省エネ設備の導入であれば比較的短期間、低コストで行えることもありますが生産設備などを含む工場の生産工程の変更には時間もコストもかかります。また、技術革新の動向やインフラ整備についても注視しておきましょう。電気自動車を例にとれば、現在は航続距離がガソリン車に比べると短いことや、充電などの難点があります。短期的にはハイブリッド車を利用するなど、技術向上やインフラ整備の状況を踏まえた更新のタイミングの検討がおすすめです。また、脱炭素に向けた設備投資を検討する場合は、設備そのものだけでなく、投資時期・投資資金・削減効果について事前検討が必要です。設備の更新には多額の費用が発生することもありますが、補助金や優遇税制なども上手く使いながら、リーズナブルな投資が行えないかどうかも併せて検討しましょう。
発展編
脱炭素をコミットして
イニシアティブに参加
参加義務はありませんが、脱炭素にコミットする企業グループ(イニシアティブ)に参加することで国内外に脱炭素への取り組みを周知し、企業価値の向上やブランディングへと繋げることも可能です。
脱炭素への取り組みを科学的に評価する手法があり各イニシアティブの参加条件になっています。
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SBT(Science Based Targets)
対象大企業・中小企業(※大企業と中小企業で、それぞれ異なる目標設定アプローチ)
パリ協定が求める目標水準※に沿った温室効果ガス排出削減⽬標を掲げる企業が対象
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RE100
対象影響力のある企業
事業を100%再エネ電⼒で賄うことを⽬標とする企業が対象
⾃社グループ全体の消費電⼒(購⼊電⼒および⾃家発電由来の電⼒)を、2050年までに再エネ100%にすることが求められる。 -
再エネ100宣⾔ RE Action
対象RE100の参加要件を満たさない国内団体
企業が⾃らの事業の使⽤電⼒を100%再エネで賄うことを⽬指す⽇本独⾃のイニシアティブ