地域とともに発展するホットな発電事業 再生可能エネルギーの普及をリースや割賦でサポート

昨今、石油や石炭など従来の化石エネルギーの代わりとして期待を集めているのが、再生可能エネルギーです。発電時に二酸化炭素をほとんど排出しないため環境に優しく、長期にわたって利用し続けられることが大きな特長です。なかでも今、熱い視線が注がれているのが24時間安定して発電に利用できる「地熱」です。SMFLは、温泉地での地熱発電に注目し、地域とともに発展するホットな発電事業の普及を金融面からサポートしています。

高まる地熱発電への注目

小浜温泉の湯棚
画像提供:小浜温泉観光協会

東日本大震災以降、日本の発電事情が大きく変わったことをご存じですか?火力への依存がぐっと高まり、今では90%近くに。こうしたなかで課題となっているのが、発電するときに多くの二酸化炭素が発生することと、エネルギー源を輸入に頼っていることです。

政府はこの状況を改善するため、固定価格買取制度(FIT ※)を設けるなど、環境に優しく国内で調達できる再生可能エネルギーの普及を後押ししてきました。その結果、太陽光や風力を利用した発電が各地で進み、地熱発電への注目も高まっています。

地熱発電の魅力は、なんといっても天候や気象に左右されず24時間発電できること。しかも、火山国・日本は地熱資源量で世界第3位と、世界有数の地熱資源国なのです。環境社会の進展に取り組んでいるSMFLは、いち早く地熱発電に注目。事業性を検証したうえで、温泉熱を利用した「温泉バイナリー発電」の発電設備へのファイナンスサービス(割賦取引)を他社に先駆けて提供しました。

※FIT: 2012年7月にスタート。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)で発電した電気を、電気事業者が一定価格で買い取ることを国が約束した制度。Feed in Tariffの略。

温泉バイナリー発電の特長とは?

温泉バイナリー発電の設備

「温泉バイナリー発電※」とは、どのような発電方式なのでしょうか?その特長を知るため、最も一般的な「フラッシュ発電」と比較してみましょう。

フラッシュ発電は、地熱から発生する蒸気を直接使ってタービンを回して発電するので、加熱源として200℃を超える熱水が必要です。一方、温泉バイナリー発電は、沸点の低い(100℃以下)媒体を加熱し、その蒸気でタービンを回すため加熱源は温泉熱で十分です。高温の熱源がいらないため、フラッシュ発電のような探査や深い掘削も必要ありません。100℃以下の地熱資源も有効に利用でき、設備を導入すれば比較的に短期間で発電を開始できるのが、温泉バイナリー発電なのです。

※「バイナリー」とは、英語で「2つの」を意味する言葉。低沸点媒体と加熱源の2つを使うことから、この名称が用いられている。

リース・割賦で再生可能エネルギーの事業化を促進

減価償却費とリース料の費用処理のイメージ

発電事業を開始する際には、発電設備一式を揃えるための多額の初期投資が必要です。SMFLでは、発電事業に取り組む企業を支援するために、リースや割賦などのファイナンスサービスを提供しています。必要な設備をリースや割賦で調達し、発電した電力の売電収入でリース料や賦払金の支払いを賄うことで、事業収支が立てやすくなり、発電事業の事業化が促進されます。

SMFLが発電事業を支援している再生可能エネルギーは、太陽光、風力、小水力、バイオマスなど多岐にわたっています。先行する太陽光発電では、累計で40万kw(一般家庭の約12万2千世帯を賄う電力※)を超える設備へのファイナンスの実績があります。温泉バイナリー発電に関しても、これまで培ったノウハウを活かし、積極的にサポートしていきます。

※一般家庭の年間電力使用量を3,600kWhとした場合

電気の“地産地消”など地域活性化に貢献

魚の養殖の写真

長崎県雲仙市小浜町。SMFLがファイナンスを提供した温泉バイナリー発電第1号案件が、ここで運営されています。小浜町の源泉からは約100℃の温泉が1日当たり15,000トン湧き出ています。以前はその70%以上が未利用のまま廃棄されていたため、これを有効利用したいという要望がありました。

こうしたなか、未利用の温泉熱を利用する温泉バイナリー発電事業がスタート。発電設備はSMFLの割賦によるファイナンススキームで調達されました。発電した電気はFITを利用して売電され、地元の温泉旅館をはじめ九州地区の各種施設で使用されており、“地産地消”を実現しています。この事業では今後、発電のために使われた蒸気や熱水を魚の養殖やハウス栽培などに再利用することで、地域の活性化にも貢献していく予定です。

SMFLは、こうした金融ソリューションの提供を通じて再生可能エネルギーの普及に努め、今後も環境社会の進展や地域共生に貢献していきます。

お問い合わせ

環境エネルギー開発部 
メールアドレス:

関連記事またはサービス・ソリューション

関連サービス・ソリューション